2012年11月21日水曜日

海峡演劇祭終了しました!


海峡演劇祭、無事に終了しました!
連日満員、特に日曜日はキャパ50人の会場に86人のお客様にご入場いただくという、
なんとも幸せな客席に恵まれ、『金のさかな』無事に幕を閉じることができました。
ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。


金のさかなは、チェコとスロバキアで、多くのお客様に出逢い、各会場で
アンケートを実施したり、終演後にお客様が人形に実際に触れたりする時間を
設けて来ました。その結果、お客様と私達の間には多くの対話があり、
その出逢いは血となり、肉となり、かつてない程この作品に力を与えてくれました。
そんな素敵な出逢いが、日本でもできるかどうか。
正直不安でいっぱいだった私は、
今回も多くの人の助けやアドバイスを辿って、
初対面なのにどうしてこんなに親切にしてくれるんだ!ていう多くの方々に導かれて、
3つの幼稚園で、金のさかなプレワークショップをさせて頂くことができました。
金のさかなの原作絵本を読み聞かせて、当日会場に飾る海の生き物をみんなで工作する。
ワークショップだなんていえない程ちょっとしたものではあるけど、
どの幼稚園も非常に好意的に協力してくださいました。

自分たちが作ったものが、劇場に飾られていて、聞いたことのある話が、
絵本を飛び出して、芝居として見ることができる。
そんな体験を積み重ねて行ければいいなあ、と願ってのことでした。


そして開場中。「これ僕がつくったー!」「あれ私の!」
という元気な声が聞こえた時は、さすがにグッときました。
日々ある発見や楽しみの中のひとつとして、忘れ去られてもいい。
今そうして感じたことをいつかふと思い出してもらえたら万々歳だ。
その可能性を垣間みることができただけでも本当に幸せな体験でした。
尽力してくださった皆様に、心から感謝します。
本当にありがとうございました。

そして今回、美術家の林さんが担当してくれていた音響・映像オペをやってくれた
旦那の圭くん。演劇なんてほとんど見たこともないのに、人形舞台を作り、オペをし、チラシを作り・・・言い尽くせない程働いてくれました。
また、海峡演劇祭実行委員長の谷瀬さん。実行委員長なのに、照明の仕込みからオペ、更には受付から人員の手配、宣伝まで、一切の細かなことを引き受けてくださいました。
そして受付や開場の飾り付け等手伝ってくれた佐藤さん。
お三方の協力なしにはこの公演は成り立ちませんでした。
ありがとうございました。
人が変わればやはり少しずつ作品も変わります。新たな発見もたくさんありました。
特に今回の上演は上演言語をチェコ語から日本語になおしたので、
雰囲気やリズムが随分違うものになりました。
それに伴って改善点もたくさん出て来ました。
そしてそれはとても幸せなこと。
こうして作品は少しずつ成長していくんだなあと思うと、
金のさかな、まだまだのびしろだらけで・・・これも幸せなことです。

とはいえ。8月から続けて来たツアーは、これでほんとに、一旦、終了です。
応援してくださった皆様、しつこいですがw、本当にありがとうございました。

そして金のさかな。
ひょっとしたら年明けにとある小学校で上演するかもしれません。
そして国内の他の地域での上演の可能性もちらほら・・・

その時は、またお目にかかりましょう!
3ヶ月間、本当にありがとうございました!

2012年11月11日日曜日

「Dynamo」プレミエラ!!



「金のさかな」ではありませんが、「金のさかな」メンバーとして告知できたらなと。

昨日、無事に「Dynamo(ダイナモ)」のプレミア上演を終えました!!!

そして、今晩(11月11日)も、KD Mlejn劇場(プラハ5区、Kovářova 1615/4 155 00 Praha 5) にて、19時30分より「Dynamo」の上演があります!!

振り付け・演出は、世界的に活躍するアクロバテイック・ダンサーのイロナ・ジャンティ氏、映像製作に、またまた、「金のさかな」でもお馴染みの谷直輝くん、新たにヤン・ミコタ氏の協力を得て、私は、舞台美術・衣装デザイン担当しています。

アクロバテイック・ダンサーは、チェコ人が4人、スロバキア人が1人、スイス人が2人、演出家はフィンランド人、そして美術の私が日本人と、かなり国際色豊かなチームです。

製作サイドの舞台裏は、書ききれないぐらい色々な事がありました。準備をしていたアイデアを技術的な制限で全部変更しなければいけなかったり、チェコに在住していない演出家とのコミュニケーション、かなり限られた時間、私自身の問題ですが、他のプロジェクトとの兼ね合い等々、、、途中で、逃亡したくなったこともありました。でも、私サイドの仕事としては、本当に限られた時間の中で、谷君をはじめ、ミコタさんや、衣装縫製で協力してくれた、ガブリエラ・ブディコバーさんとシルバ・シェドバーさんのおかげもあり、なんとかこの厳しい局面を乗り越えることができました。一人の力では絶対に乗り越えられませんでした。

そして、最後までこのチームと一緒に作品を仕上げることができて本当に良かったなと心から思います。

「Dynamo」は、KD Mlejn劇場で定期的に上演されます。http://www.mlejn.cz/
現在わかっている公演予定日は、11月25日・18時ー、11月29日・19時30分-、12月7日・19時30分-、12月20日・19時30分-、1月10日・19時30分-です。

ぜひ、一人でも多くの方々に見ていただけると嬉しいです!

林 由未

2012年10月23日火曜日

ナスフレプラハ!ただいまキタキュウ!

2ヶ月もプラハに居て、一瞬も街を見ないなんていやだ!とのことで
空港へ行く前の1時間半くらいでとりあえず橋まで走ってみようツアー。
※MANIFUKTURAはスポンサーではありません。
For 2 months, I have never been the twon of Prague! 
Noooo! I have to!! So I run to the Charl's bridge for just 1hour half.


オルロイ。2ヶ月前に美術家と「オルロイでアイス食べようねえ〜。」と約束したのに、
結局走り抜けただけ。


DAMU。通い詰めたよ二年前。私は学生でもないのにね。


うま!


城!from 橋!and 気球!ゴール! 


重い!最後の最後まで重い!


出発前に最後の祝杯。


イミグレーションまでダッシュ。呆れる美術家。

2ヶ月間応援してくださった皆様。本当にありがとうございました。
金のさかな、Yodaka 東欧ツアー、これにて終了です。
が、最後の大勝負、北九州海峡演劇祭が待っているので、
まだまだ終わった気持ちにはなれません。
海峡演劇祭が終わっても、日本国内外問わず、挑戦し続けようと思っています。
いつまで経っても終わった気持ちになれない作品は、とても幸せだと思うので。
そしてちょっとずつバージョンアップして、成長して行けたらもっと幸せだと思うので。
そうこうしているうちにまた新しい作品が生まれたりなんかしたら、
そしてまた次の旅の計画を立てたりなんかしたら、またまたとても幸せだと思うので。

Thank you for evryone for 2 monthes.
Eastern Europe tour is finished.
But we'll have perfromance "The golden fish" from 17th to 19th November in Japan.
Yes, it's not still finish.
We will look for some chance to have performance , also after November.  
The golden fish will be continue to swim.
And Yodaka will be continue to fly!

作品をつくることを通して人と出逢って、人と出逢いなおして、
今まで見えなかったものが見えたり、見えていたものが見えなくなったり、
不幸せなことも起こるかもしれないけど、それも先の幸せの一部かもしれないし。
ちらちら見える本質のその核心には、私たちはまだ触れてもいない。
きっとメインストリームからは遠く離れた田舎の小川くらいのささやかさで、
でも流れている水はものすごくキレイだ、ていう作品を、
これからも作って行きます。




ただいま!

最後に身内への感謝は観客の心を冷ましてしまうかもしれませんが、
伝えずにはいられないので。
今回多くの方と一緒に仕事をすることができ、再三お礼は伝えて来ましたが、
最後の感謝を美術家の林 由未さんとプロデューサーのペトル・ムラースさんへ捧げます。
粘り強く諦めずに、互いを信頼して煮えたぎる鍋の中を共にのぞき込んだ経験は、
何ものにも代え難い。心を合わせて走ってくれたこと、心から感謝します。
また覗こう。煮えたぎる本質を。

2012年10月23日
谷口直子

2012年10月20日土曜日

時には昔の話を Let's talk about past days sometimes.

とてつもなくお久しぶりです。谷です。この一か月ほど、帰国し、風邪でぶっ倒れ、携帯が世界中を旅し、ネット復活に手間取り、学校での居場所のなさにとまどい、スーパーの品ぞろえの豊富さに喜んだりして毎日を過ごしていました。

なんだかんだでバタバタして今、なんとか落ち着いてきたのでブログ書いとこうかなぁと。

メンバーとはネット復活後、最近はスカイプでよくお話をします。

金の魚やYODAKAについて概ね好評だったようで、一安心。現場に立ち会えなかったのは残念でしたけど、みんなの頑張りのおかげで(血を吐きながらの)東欧ツアーは無事大成功だったみたいで、感謝感謝です。今はビデオの到着が楽しみです。うちのキャンパスで展示しますんで富山の人はぜひ見に来てくださいね。(11月ごろ)

ツアーのこともそうですが、最近よくゆみさんとは僕の滞在を振り返ったお話をします。つい最近までチェコにいたのに忘れてることや、記憶があいまいなこともしばしば。でも、変な話、結局お互いがお互いに感謝する方向に流れて、カメラに向かって頭を下げ続けることここ数日。笑

でもたぶんね、僕が一番、ゆみさんはじめなおこさん、ペトル、ゾヤさん、関わった全ての人に感謝してる、ます。きっと!!

これは僕にとっての大きな転機でした。仕事のことだけじゃなく、あらゆることで。だから、そんな機会を与えてくださったみなさんにありがとう。そして、ブログを読んで、応援してくださっていた、みなさん、本当にありがとうございました。

僕らはこれからこの仕事を踏まえて、さらに未来へ飛び出します。

でも、時には昔の話を。
昔の僕たちに還って話をしましょう。

P.S. 僕のユーストリームの番組、富山県高岡市から毎週金曜、夜八時から好評、ではないですが放送中!! アーカイブも残ってるのでお暇なときは是非ご覧になってください。

週末のデ情部屋
http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB-%E5%8F%A4%E5%B7%9D

たに

Cao! Long time no see. This is Naoki. I have returned back from Czech, and I had a cold, my phone was traveling all over the world, there were a lot of troubles to make the connection of internet, I was confusing about no place in school, and I was glad to see various of products in supermarket in Japan, I had spent for one month like this.

Now everything is calming down, so I felt like writing blog and I am writing now.

Recently we talk with Skype many times after internet reviving.

Zlatá rybka and YODAKA seemed to be fine, and now I can relax a little. I was so sorry not to be able to join the tour, but thanks to every member's pluck (with blood), we got a succeed about eastern Europe tour, so I am feeling "Thank you very much". Now I am looking forward to arriving a video which has a record about this tour. I will have an exhibition with it in my school, please come to watch it. Especially the people living in Toyama.(It will be held in November.)

By the way I talk about my staying in Praha with Yumi recently. Though I was in Czech very close days from now, there are something we don't remember, and we are not sure about something often. But finally we are saying gratitude each other every time, so I am lowing my head to display everyday for a few days recently.

But maybe I am feeling gratitude the best among the members! To Yumi, Naoko, Petr, Ms. Zoja and every others who has connection about this work.

This was my big change not only for my work but also for everything. So I want to say "Thank you" for everybody. And for everyone who read blog and sent encouragement to us.

We will jump out here to the future more and more after this work.

But let's back and talk about past days.

P.S. I have a USTREAM program broadcasting from Takaoka city in Toyama at 8 o'clock p.m. Please check it out.

http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB-%E5%8F%A4%E5%B7%9D

Naoki

2012年10月17日水曜日

「金のさかな」「YODAKA」2012年東欧ツアーを終えて。



おかげさまで、10月11日スロバキア・コシツエの上演をもって無事に2012年「金のさかな」「YODAKA」ツアーを終えることができました。12日は、コシツエで1日オフをもらい、13日に1日かけて電車でプラハへ帰ってきました。コシツエはプラハから650キロ、電車では8時間の距離に位置する街なのです。(写真は、コシツエ人形劇場前より)

スロバキアツアー中、私の体調管理の不届きで風邪をひいてしまい、かなり辛い旅だったのですが、もっと酷いことに直子さんとペトルに風邪をうつしてしまうという、本当に申し訳ないことをしてしまいました。おかげで、2人はツアー後に風邪でダウンです… この場をかりて、謝ります。本当にごめんなさい!!

1年近く前から準備をしだした「金のさかな」プロジェクト。まず、日本―チェコの距離の遠さと時差、アイデアを出しから実際に形にしていく苦しさと、実際に上演のためにオーガナイズする苦しさ、また、普段では舞台裏の仕事をしている自分も、音響や照明として実際にツアーに参加する苦しさなのかな?このプロジェクトを通して、本当に色々な経験をすることができました。他のプロジェクトと比べて、舞台美術以外の仕事を沢山しなければいけなかったので、仕事の達成感というか満足感は大きいです。実際の経験から学べるものより大きなものはないと改めて実感しました。まだまだ「金のさかな」は、北九州市の海峡演劇祭へと続きますが、東欧ツアーを終えて、自身の感想でも。

「金のさかな」は、願いの話です。

この話に出会って、最初に感じたことは、願いと欲の違いは何だろう?です。
多くを望むことは、果たして間違いなのか?願いに、間違いはあるのか?欲は罪か?誰かのためを思って願うことが願いで、自分自身に願った時点で欲になってしまうのか?

願いは本当に強い2面性があって、例えば誰かの願いが成就すれば、他の10人が泣いているかもしれないし、純粋に誰かを願ってしたことすらも、誰かにとっては被害でしかないかもしれないのです。少しでも現状を良くしようと思う願いや、望みは、明日を生きるための原動力になりますが、それが少しでも人より大きくなれば欲深い人・野心深いと思われてしまいます。願いという形では美しい響きなのに、欲という言葉になるとその繊細さがどこかに消えてしまう。難しい問題です。

そんな感じで、願いについて、色々なことを考えました。ただ、それを通り越した一線で感じたこと。願われる対象と願う側に対し、願いを請う側の一方通行性。私達は、誰に何を日々願っているのだろう?

日々の平穏な暮らしを望まない人はいないと思います。私達は、その平穏な暮らしを、日々、地球から海から恩恵を受けて生きています。その恩恵に対し、私達は何を返してきたのだろう?と。得るだけの一方通行では、このお話と同じ結末になってしまうのではないかと思っています。当たり前に受けている恩恵に対し、自分ができることは何か考えていかなければなりません。

余談ですが、私は製作時に音楽やラジオ、時には落語を聞いて作業しています。好きなアーテイストは沢山いますが、中でも中島みゆきさんが大好きで、「金のさかな」製作時は、「Now」という曲をかなり好んで聴いていました。「金さかな」がやっと一区切りして、余韻にひたりたいところなのですが、悲しいことに次のプロジェクト達をスタートしなければいけない状況です。頭と感情がなかなかギアチェンジできない中、今は中島みゆきさんの「命のリレー」を繰り返し聴いています。とても、「金のさかな」にリンクしています。

末尾ですが、このプロジェクトで共に走り戦ってくれた、チャークこと、谷口直子さん本当に心よりありがとうです。君と一緒に作れたから、産まれた金のさかなだと思ってます。

いつも、自由に仕事をさせてくれて、後ろから本当に大きな力で支えてくれる演出家のゾヤ・ミコトバーさん。自分の専攻分野でない映像製作を、(大変だったと思いますが)調べつつ最終的に完璧なものにしてくれた谷直輝くん、まだ見ぬ音楽の棚川 寛子さん、森山 冬子さん、本当にもったいないぐらいの素晴らしい音楽でした!会える日を楽しみにしています!!そして、プロデューサーのペトル・ムラース。最終的には、照明までできるようになりました。応援してくださった皆様。本当に心からありがとうございました!言葉で感謝は書きつくせませんが、今回のツアーで、決して一人の力では及ばない成果をだすことができたと思います。それもこれも、皆様のおかげです!

日本での上演の可能性をこれから全力で探していきたいと思います。まだまだ、とても小さい規模ではありますが、「金のさかな」に託した私達の願いが、一人でも多くの人に届けばいいなと願っています。あっ、これも願いだ!

まだまだ、続きますが、一区切りなのので、もう一回言わせてください。
本当に皆様。ありがとうございました!

由未

2012年10月16日火曜日

東欧ツアー終了しました、そして

報告がすっかり遅くなってしまいました。
1011日にコシツェでの『Yodaka』上演を終え、遂に長かった私たちの東欧ツアーも、無事に終了しました。
It's so late to report...
At 11th Oct, we had a performance "Yodaka" at Babkove divadlo v Kosiciach.
So we had finished all our Eastern Europe tour 2012.




 最後の上演の地、コシツェのBabkove divadlo v kosiciachは定員が100名程の小さな劇場で、14時に地元の子ども達へ向けた上演、18時から一般上演を行いました。
これまた不思議なもので、同じスロヴァキアなのに、先日上演したジアル ナド フロノムとはまた違う反応で、とても新鮮でした。客席数が少ないこともあり、お客様がかなり芝居に集中してくれたので、逆に反応が読みづらく、途中でふっと心配になる瞬間もありましたが、終演後の拍手を聞くとそんな不安は吹き飛びました。
In Kosice, we had performance 2 times.
At 14:00 is for only kids. And at 18:00 for family.
This theater's capacity is about 100. So, the audience have concentrate in the story. They are sooo calm...But after the performance is like that!!


 正直、惚けています。風邪をこじらせてしまいました。 たった2ヶ月のことでしたが、あまりに集中した2ヶ月で、しかもその2ヶ月の為にかれこれ1年近く前から準備を重ねて、他の仕事とも平行しながら続けて来たことが、一段落して。本当は惚けている暇などない程、こなさなければならない仕事が山積みなのですが。甘い風邪薬でぼうっとかすむ頭は、脳みそスープを煮込んでいる感じです。11月の海峡演劇祭に向けて、日本語版の金のさかなを作らなきゃだなあ、あ、あの人に話してみよう、そうそう、照明もこうしたいんだよなあ、ああ、音をこうする為には誰々に連絡して・・・と頭がぐつぐついっているうちにはっと目が覚める、という、まさに前後不覚。
 次にジャンプする為にもこういう時間が必要なのですが。が!が!が!

とにもかくにもまずは、お礼です。

まずは今回、作業を共にしてくれたアニメーションの谷 直輝くん。
音楽の棚川 寛子さん、森山 冬子さん。
多くの制限の中、きっと不自由な思いをしていたにも関わらず、
一緒に働いてくれたこと、本当に感謝しています。
ありがとうございました。
次回はもっと深く一緒に仕事ができるように、
少しずつ環境を整えて行きたいと思っています。


そして。これまで暖かい言葉をかけて頂いた皆様、応援してくださった皆様、
本当に心からありがとうございました。どれだけ感謝しても、したりない程、
励まされました。
まさかこんなにも多くの方が私たちのことを見守ってくれていたとは、
正直思っていませんでした。
でも、ひとりひとりの顔や、励ましの言葉を見る度に、
ああそうだ。私はこの人たちに守られて、育てられてきた、と改めて確信しました。
恐るるなかれ、ともにあり、と。
もちろん、励まされると同時に、
ひとつひとつの行動には責任と自信を併せ持つべきだとも痛感しました。
ともにあるからにはね。恥じないように。
そして私たちの小さな挑戦が、皆さんひとりひとりの励ましを得て残した結果は、
最終的にとても大きなものでした。
私たちだけでは決して成し得なかったことだと、心から思っています。

ありがとうございました。

金のさかな、まだまだ続きます。
次は11月17日から19日まで、福岡県北九州市の海峡演劇祭です。
それまでに、全編チェコ語のこの作品をどうするか。
オペをどうするか。集客をどうするか。やることは山積みです。

そして明日はちょっとしたインタビューの撮影。
明後日からはパッキング。明々後日に私は帰国します。
引き続き、もうしばらく泳ぎ続けます。
と、書いているうちに脳みそスープはいい感じに冷めてきました。

Now we have to say THANK YOU EVERYONE!!!
We raelly appreciate all theater, all audience, all friends and familly.
We can't make such a wonderful work unless kindness of you all.

"The gold fish" continue to swim.
The next stage is in Japan!!!
kaikyou theatre festival

Tomorrow, we'll have some interview with documentery films.
And the day after tomorrow, we'll start to packing.
And the day after that, I will go back to JAPAN!!

Naoko


2012年10月10日水曜日

Ziar nad Hronomでの上演終了!いよいよ最後の地!


この東欧ツアーの中で一番長い一日、そう呼んでも過言ではない、一日だった。ただの記録。忘れない為に。


 朝7時に劇場入り。準備して、ゲネ。10時開演。250人と聞いていた小学生たちは280人になぜか増えていて。会場は大盛り上がり。市の文化センターの担当の方と大使館の方の挨拶でも、なぜこんなに?という程の拍手喝采。いやいや、よだかは君たちが期待するような話では全然ないぞ。と心の中で思いながらも、オープニングの曲は始まって。あとはもうがむしゃら。かつてない数のお客様と、その国民性に圧倒されながらも、芝居は進む。そういえば2年前にスロバキアの首都、ブラチスラバでよだかを上演した時も同じように、なんだか理解不明なところで爆笑していたり、かと思えば意外にもちゃんと話を見守った発言(芝居中に普通に喋る)が多かったり。芝居をする側の状況としては結構大変だけど、なぜだかそんなに嫌な気がしないのは私に繊細さが足りないからだろうか。いや、それだけでは決してない。

 一番アグレッシブだったのは引率の先生が舞台まで近寄ってきて、一番のクライマックスでフラッシュつきで写真を撮りまくるという行動だったが、普通だったらあり得ないと思われることも、本当に心から嫌な気が全くしないのは、彼らの歓迎っぷりが伝わるからだと思う。そう、私たちはびっくりする程歓迎されていた。
 送迎から宿泊の手配から、丁寧にもてなしてくれて。昨日の仕込みの時は遅くまで照明の仕込みからマイクの仕込みまで付き合ってくれたり。チェコ語のセリフ(単語)をスロバキア語に直して発音を教えてくれたり。終演後も花束を頂き、わざわざご紹介頂き、ロビーでよだかと一緒にさよならの挨拶をしていたら、これまた先生達がたくさん写真を撮ってくれたり。本当に幸せでした。

 13:30からは近くの小学校でこいのぼりをつくるワークショップ。随分前にに大使館の方からなにかワークショップと抱き合わせで・・・という話を頂いていた時に、その時はまだ新作の『金のさかな』を持って行くつもりだったので、魚つながりでこいのぼりを作ろうと言っていたのですが、日本文化色の強いものを、とのことで演目が『YODAKA』に変更になり、ワークショップのプランだけは魚が残ってしまったような形だったが、これまた特に気にもせず、みんなで大盛り上がりで好き放題にこいのぼりを作って、こいのぼりだけでは飽き足らず、最終的にはこいのぼりに折り紙で折った手裏剣だの、金魚だのを貼付けるという斬新なアイデアに発展し、もうこれまた楽しくてしょうがない1時間半でした。2回公演の合間にワークショップを入れるなんて、疲れてるし、準備も殆どできないし、正直しんどかったのですが、終わってみたら私たちはプレゼントしかもらってなくて。実際、子ども達が折った折り紙というプレゼントだけではなくて、もう胸がいっぱいで、心からやってよかったと、そう思えた帰り道でした。
帰り道でレッドブルとアイスクリームを仕込んで、短い休憩をとって、17時から2回目の上演。こちらも、本当に信じられないような所で大爆笑していて、やってて本当におもしろかったし、アンケートの回収率もすごくよくて、ありがたい感想をたくさんいただけて、本当に幸せでした。


 チェコは私にとっては外国なのに、このプロジェクトに関してはチェコで、チェコ語で作っていて、お客さんのリアクションもチェコ人なのに、なんだか理解できる。そしてスロバキアを外国に感じる。リアクションがやっぱり違うし、劇場の空気も観る姿勢もすごく違う。私にとってはどちらも外国なはずなのに。とても不思議。

 そしていよいよ。よだかも東欧ツアー最後の上演の地、コシツェへ向けて、現在バスで4時間の移動中。遠いな!今は休憩で立ち寄ったレストランおいしいスープをいただいたところ。

明日の公演の詳細はこちら!

明日で東欧ツアーはおしまい!

2012年10月9日火曜日

ツアーは続く!

直子さんがブログですでに書かれましたが、無事に「金のさかな」の2012年東欧ツアーでの上演が終了しました。本当に、たくさんの嬉しい出会いや、貴重な体験を重ねることができました。まだまだ、改善点等もありますが、「金のさかな」が今後も色々な場所で上演できるよう、これからも模索していこうと思ってます。



 9月27日にオストラバ人形劇場でプレミア上演があり、28日にプラハへ帰ってきてそのままリベレッツへ向かい、29日にナイブニー劇場で上演し、プラハへ帰ってきて、2年ぶりの「YODAKA」のリハを3日日間集中して行い、10月3日ミノル劇場で「YODAKA」の上演して、2日間あけて、10月6日に「金のさかな」をDRAK劇場で、10月7日にプラハKD Mlejnで無事上演を終えました。そして、今は「YODAKA」のスロバキア・ツアーへ来ています。

少しでも、多くたくさんの場所で上演を!と考えなしにツアーを組みすぎてしまいました。そのせいで、私達チームはかなり疲弊しています。毎日場所を変え、仕込み、リハ、本番、ばらし、次の日の準備の繰り返しです。ほんとに、もう少し考えてスケジュールを組めば良かったと反省してします。



そんな中でも、一番疲れているはずの直子さんの明るさは、私達の元気の源です。

現在私達は、スロバキアのŽiar nad Hronomという街に来ています。
明日の10時から250人の子供が、この観客席が満杯になるらしいです…



その後、ワークショップもあって、夜には大人向けの上演も待ってます。
まだまだ、疲れたとは言ってられません。


金のさかな 東欧ツアーでの上演終了!



KD Mlejnでの上演、無事に終了しました。
こちらは会場がとにかく大きいので集客を心配していたのですが、
ほぼ満席のお客様に恵まれました。ご来場いただいた皆様、本当に心から感謝します。終演後、ちょっとした取材があったり、なんだかばたばたしてしまって、せっかく来てくれたお客様にちゃんとご挨拶も出来なかったこと、お許しください。
 そしてこのMlejnでの上演が新作『金のさかな』の東欧ツアー2012の最後の上演になりました。この後、1117日から19日に日本の福岡県北九州市の海峡演劇祭への参加が決まっていますが、東欧での上演はひとまずこれでおしまい。まだ残っている大仕事があるので、あまりセンチメンタルにもなれませんが、とりあえず、感無量です。
 820日にプラハに到着した時は、本当に闇の中で手足をがむしゃらに動かすような、本当に眠れない日々でしたが、ちょっとずつちょっとずつ姿を現した作品は、最後にはこんなにたくさんのお客様に出逢って、信じられないような美しい時間をもたらしてくれました。
 演劇はこうやって時間や空間を作り出してはまた消えて、また別の場所で、別の出逢いや悲しみや喜びや、目には見えないけどかけがえのないものを、やってる人間にも、もちろん観客にも同時にもたらす、なんでしょうね、魔法?いや、魔法だなんて言葉はごまかしだとはわかっているのですが、約束?ううん、違うなあ、なんだろう。まだ私にはわかりません。



 そしてこの『金のさかな』が前作『YODAKA』と大きく違うのは、とにかくまず第一にお礼、というか、報告をしなければ行けない人たちに出逢えたこと。
アニメーションの編集をしてくれた、谷 直輝くん。
音楽制作で関わってくれた棚川 寛子さん、森山 冬子さん。
『金のさかな』とりあえず無事に東欧ツアーは終わりましたよー!
関わってくれて、本当にありがとうございました!
どれだけ心強かったか、そしてどれだけ大きく影響を受けたかしれません。
時間が足りなかったり、色んな制約があったりと、できることに限りがあったり、改善点はぼろぼろと思い当たる節があります。まだまだ若い作品なので、これから回を重ねるごとに成長して行くつもりです。その時はまた、一緒に頭をひねったり、意見を言いあえたら最高です。
ですが、とにかく今は心からの感謝を込めて。
ありがとうございました。

そして。
今このブログを、私はスロヴァキアの小さな街の劇場で書いています。
明日109日にジアル ナド フロノムという街で、10から小学校の子ども達250(!!!)に向けて、17時から80人の一般客に向けて『YODAKA』を上演します。その間午後には小学生へのワークショップもするという弾丸ツアー。詳細はこちら。


頑張りマッス!

2012年10月7日日曜日

DRAKでの上演



Divadlo DRAKでの”Zlata Rybka”、無事に終了しました。
仕込み時間も短く、広報に関するコンタクトもなかなかとりづらかったため、
集客も心配していましたが、箱を開けてみたら。
客席はほぼ満席。
いつものように暖かいお客様たちにこちらが背中を押されるような上演でした。
今日も上演後に人形に子ども達が興味津々で、
終演後に幸せなひとときを味わうことができました。
ご来場いただき、ありがとうございました。

Divadlo DRAKはチェコでは本当に名だたる人形劇場で、
美術家のゆみさんが文化庁の在外派遣員として研修していた時の受入機関でもあります。
今回、このような形で私たちの上演を招いてくださったことは、
本当に光栄なことでした。
気づいたら『金のさかな』は今日で3回目の上演。
そして明日のKD Mlejnで、ヨーロッパツアーでは最後の上演になります。
新作なので、これから少しずつ改良して、長く上演して行けることを願っています。


終演後のフラデツの夕焼け。
清々しい気持ちでこんな景色を眺められることが、なによりも幸せです。

さて、明日10月7日のKD Mlejnの詳細はこちら

KD Mlejn "Zlata Rybka"

今日はDRAKのあるフラデツに一泊して、明日の朝一でプラハに戻って、
そのまま仕込んで15時開演です。
最後ですからね。
勢いも大事です。
ひゃっほい!

谷口

Thank you for coming to Divadlo DRAK "Zlata Rybka"!!
We are appreciate to have a wonderful time with audience.

DRAK Theater is so famous in Czech Republic (Not only ČR, also all over the world). It was indeed honor for us to invite our new performance.

We'll be play at KD Mlejn today 15:00.
It'll be the last "Zlata Rybka" in this Europe tour.
Detail is here.

KD Mlejn "Zlata Rybka"

We are looking forward to see you!!!

Naoko


2012年10月6日土曜日

楽しい1週間のはじまりです。


遅ればせながら。

10月3日のミノル劇場での『YODAKA』の上演、無事に終了しました。
詳細は後ほどアップするとして、まずはご来場のお礼まで。
たくさんのお客様にご来場頂き、終演後、子ども達と長い時間触れ合うことができ、
温かい感想をたくさん聞くことができて、心から嬉しいひとときでした。
ありがとうございました。



そして、演目はまた『金のさかな』に戻ります。
そして、ここからが怒濤の1週間のはじまり。
怒濤と書いて、楽しいと読め。あは。

今日はDivadlo DRAKでの上演です。これから小屋入り。
16時開演です。
DRAKのウェブサイトのトップにも"ZLATA RYBKA"の文字が。
DRAK THEATRE

詳細はこちら

DIvadlo DRAK ZLATA RYBKA

場所がHlavni Scenaになってますが、Studioです。

そして明後日はプラハ、KD Mlejnでの『金のさかな』の上演。
詳細はまた明日!

Thank you for coming to Divadlo Minor!!
We're so happy to meet many audience, to play with many children,
and to talk about YODAKA.

And from today, we'll work so hard...
Today, we'll have performance "The golden fish" at Divadlo DRAK from 16:00!!!
Detail is here

DIvadlo DRAK ZLATA RYBKA
※ We'll play at STUDIO, NOT HLAVNI SCENA.

2012年10月2日火曜日

いよいよ明日

いよいよ明日、10月3日。18時からミノル劇場で『YODAKA』の上演があります。
ミノル劇場の公式サイトにも

『YODAKA』

さんざん通い詰めた憧れの劇場のサイトに自分たちの作品が
写真入りで載っているのは、ちょっと感動。
2年ぶりの上演なので、きゃーきゃー言いながら稽古しています。


2年前、この作品を創ったときは本当に手探りで、あっちにぶつかりこっちにぶつかり。
でも、最終的には2カ国6カ所で上演できて、今回の『金のさかな』の布石になりました。

宮沢賢治の『よだかの星』をモチーフにはしていますが、
私たちなりの解釈で構成されているので、違った視点で楽しんでいただけるように
絶賛稽古中です。

Tomorrow, 3th Oct, we'll have our performance "YODAKA" in Divadlo Minor!!
2years before, when we make this performance, we worked so hard.
And Yodaka could fly 6 times in 2 country,
Based on the Japanese famous tales ''The nighthawk star''.

We are looking forward to see you at Divadlo Minor!!!

Naoko

Zlatá rybka chycená v síti Naivního divadla v Liberci (sobota 29.9. v 10 hodin)

Ranní sobotní představení pro děti od 10 hodin patří k místní tradici. Naoko s Yumi měly den předtím premiéru v Ostravě a byly hodně unavené. Nechtělo se nám vstávat brzo ráno a přijet přímo z Prahy, raději jsme v Liberci přespali, pension U muzea je blízko centra a za dobrou cenu!


pension U muzea

V 7:00 hodin ráno jsme měli domluvenou schůzku s paní Bartošovou a panem Jelínkem u hlavního vchodu do divadla.  


7:00 hodin před Naivním divadlem v Liberci

Díky skvělé práci pana Jelínka a jeho týmu techniků jsme měli brzy připravenou scénu a mohli včas začít zkoušet. Paní Bartošová nám přinesla kávu, čaj a misku čerstvých kolačů a koblih. Kde je tak brzy ráno koupila, nevíme. Moc všem v divadle za takový servis děkujeme!!!!


příprava scény

Na představení přišly hlavně malé děti od 3 do 6 let v doprovodu dospělých. Studio bylo k naší radosti zcela zaplněné. Kolem půl dvanácté jsme se rozloučili před radnicí s Libercem a byli na cestě do Prahy. Děkujeme řediteli panu Stanislavu Doubravovi za skvělou možnost hrát před libereckými dětmi!   

Petr

produkce


před libereckou radnicí po představení

2012年9月30日日曜日

万色の渦


リベレツのナイブニー劇場での『金のさかな』上演、無事に終了しました。
60席の小さな劇場はオストラヴァとはまた違った客層の、かなり小さな子どもたち。
途中、集中が切れてしまって心配な瞬間も正直ありましたが、無事に、幕を閉じました。

今回のプロジェクトにおいて、プロデューサーとして各劇場との調整や交渉にあたってくれたペトルが、今日の公演だけ照明を担当することになり(人生初)。
気を揉んでいたのですが・・・フタを開けてみると持ち前の明るさとタフさで、
半ばインプロ。人生初とは思えないフェーダーさばき。
芝居が始まってすぐに、「ああ、こりゃ大丈夫だな。」と、なぜか安心してしまいました。度胸が半端ない人なので。

このプロジェクトはもちろん良質な作品を創ることが
一番の目的です。
ただ、プロダクションが小さいが為に、自分の本来の役割以外の部分にも大きな責任を
負うことが求められます。
役者だけど、コンセプトをプレゼンしなきゃだし、台本も書くし、ドラマトゥルグも詰めて行くし、美術的なアイデアも出さなきゃだし。美術家ももちろん全く同じ仕事が求められます。
作品制作の面だけでなく、資金集め、助成金の申請、関係各所とのやりとり、可能性のある劇場、フェスへの売り込み・・・そして今回のように、全く違う畑の技術的なこともこなすことを、半ば強制的に求められています。
正直、今回私たちを大きく悩ませたのはこの技術的な側面でした。
初めて使うプロジェクター。それによってつきまとう音響ブースの設置、
配線の問題、DVDを使うのか、音響機材はどうするのがベストなのか、
ケーブルをこちらで用意する必要があるのか云々・・・
劇場によって仕様も、持っている機材も違うので、簡単な問題ではありません。
まだ、完璧な解決方法は見つかっていません。

だからこそ、と声を大にして言える。
だからこそやってておもしろい。
なんで演劇をやっているのかが、よくわかる。

作品をつくる、というこの仕事そのものという”機会”を
私たちは自分たちの手で作りました。
規模も小さいし、まだまだ駆け出しだし、そもそも作品の評価はお客様が決めるものなので、私には正直まだわかりません。
だけど、この”機会”を通して、今までやったことのないことにたくさん挑戦して、
絶望して、わずかな光を掴んでは、また失って。
少しずつ形づくってきた得体の知れないもの。
それが少なからず誰かの胸に届いたかもしれない瞬間を目の当たりにする体験。
今日もそんな出来事がありました。

助成金の提出資料の関係で、チェコではあまり行われない、上演後のお客様への
アンケートをお願いしています。
意外と素直に色んなことを書いてくれます。
その中で。
今日のナイブニー劇場での終演後、15分以上座席に座ったまま、
アンケートを書いてくれている女性がいました。優しそうなグレーの髪の女性。
あまりに長く座っているので、別の用事をこなしているのかと思って、
さっさと片付けを初めてしまったのですが、しばらくして、笑顔で、
アンケートを手渡してくれました。
表面を裏返すと、日本人の私にもわかるくらい達筆なチェコ語で、
びっしりと、本当に端から端まで、びっしりと、感想を書いてくれていました。
その場では、とにかくお礼を言うことしか出来なかったのだけど。
後でペトルとゆみさんに訳してもらってびっくりするほど、
美しい感想が書かれていました。

こんな美しい芝居をこの劇場に持って来てくれたことへのお礼。
それぞれのパートや起こった出来事への的確な評価。
対象年齢を少し上げた方が良いとのアドバイス。
挙げればきりがないけれども、どれも納得のいく、心ある感想でした。
そして、この芝居を作った私たちそれぞれの中に”金のさかな”が見えたこと。
そして、彼女が今日誕生日で、その良き日にこんな素敵な作品を見られたことへの感謝。

泣いた。
その時は人がいたから涙ぐむくらいだったけど、
今ひとりで思い出すとむせび泣いてしまうくらい(笑)、感動した。

とてもプリミティブな体験だと思う。
原始的で、規模が小さいからこそ体感する苦労と、
お客さまとの距離が近いからこそ体感する感動と。
もちろん距離が近いのは諸刃の剣。
だけど、もっと丁寧に、ひとりひとりのお客さんと向き合いたいと思って始めた挑戦は、
私個人にとって、なぜ演劇を続けているのか、
なぜわざわざこんな小さな作品に大きな労力を払っているのか。
その答えをちらちらと見せてくれます。

わからないことが多過ぎて、一人ではできないから、人を巻き込んで、心を合わせて、
一緒に竜巻に巻き込まれてちりぢりになったかと思えばそのかけらをまた集めて。
そしたら時々すごい真実を垣間見たり。
ぞっとするような真理に一緒になって震えたり。
だけど時々こうしていくら言葉を尽くしても足りないくらいの、暖かい気持ちを、
見ず知らずの人から突然渡されたり。
いつまた会えるかわからない大切な人に、また抱きしめてもらえたり。

だから何なのかなんていう”答え”は、きっといつまでたっても言葉にはできない程、
世界は、シンプルな答えが複雑に溶け合う万色の渦。

疲れてますね(笑)。
とにかく嬉しかったのです。
長文失礼しました。



明日からはよだかの稽古です。
まだまだ超えなきゃいけない山がいくつも待っている。
次は10月3日にミノル劇場で18時から、日本大使館主催 日本文化の秋関連行事
『Yodaka』の上演です。

2012年9月29日土曜日

Premiéra v Ostravě za oponou オストラバ・プレミア舞台裏

オストラバで無事に、プレミアを迎えることができました。
メインは、直子さんが書いているので、私は舞台裏を。
オストラバでの上演にあたり、最後の大きな関門は移動でした。
日本人2人で持ち運ばなければいけない舞台セット達。
2人とも大きなリュックを背負い両手にスーツケース+α。
ヨーロッパの人達達から見たら、サイズの小さい私達がかなり大きな荷物を抱えて、
よろよろ歩いてたり、トラムに乗り込むと、めげたくなるぐらいの視線をあびます。

Měli jsme premiéru v Divadle loutek Ostrava!!!
Naoko již psala o tom nejdůležitějším, chtěla bych psát o věcech za oponou..
Příprava Zlaté rybky nám dala zabrat, ale nevěděli jsme, že tím to nekončí.
Jet vlakem do Ostravy s divadlem v kufru bylo náročné. Jsme dvě malé Japonky, měly jsme obě
velký batoh, potom letecký kufr a na vozíku složený stoleček. Když jsme nastoupily do tramvaje, všichni se na nás dívali. Byly jsme pro ně divné, že máme tolik věcí.

2010年に、「YODAKA」の上演でも同じ問題を抱えてて、その時も、二人でへこみながら移動して、私が、運転免許をとるから、次は、こんな苦労はかけないいよなんて約束したのですが、現在もまだ、免許を持っていません。切実に必要だな。来年こそは…

Když jsme hrály představení YODAKA v roce 2010, měly jsme stejný problém.
Říkala jsem si tehdy, že si musím udělat řidičský průkaz! Ale ještě žádný nemám, musím o tom přemýšlet příští rok..



朝、8時半に劇場に着く。荷物をおいて、直子さんはストレッチ。
(↓の写真:ウォーリーを探せ状態で見つけづらいですが、直子さんはいます)
風が強くて綺麗な朝だった。

Ráno v 8:30 jsme se dostaly do divadla. Nechaly jsme tam věci a šli pryč. Naoko měla strach, aby se něco neztratilo:-) To ráno byl krásný a silný vítr!


私達の前に上演された劇が、75分とのことだったのにおしにおして120分を越えて終わり、会場も米だらけになって掃除をしなければならず、仕込み開始が大幅に遅れる。また、音響のケーブル接続がトラぶり、かなりギリギリまでテクニカルてきな部分でストレスを感じさせられる。それでも、1回だけ、プレミア前に通してできて不安を少し消し飛ぶことができた。

První představení v diivadle, oni napsali, že bude 75 minut, ale trvalo víc než 120 minut.
I v divadle byla všude rýže. Musely jsme čekat a uklízet, proto jsme s přípraavou představení začaly později. Ale nakonec jsme mohly zkoušet jedenkrát a náš stres byyl menšíi.




今回の上演で一番嬉しかったことの一つ。
オストラヴァ人形劇場は直子さんが2年前に文化庁の在外研修員としてチェコにいた時の受入先。劇場のトップであるプロデューサーのハイコバーさんと夫が、直子さんを娘のように大事に歓待してくれいるところを見れたこと。プレミア後、ゾヤさんともに、打ち上げ夕食会。私にとっては初めての出会いだったけど、心から「金の魚」を気に入ってくれたことも嬉しかった。

Největší radost k premiéře..
Naoko před dvěma lety s ostravským divadlem loutek spolupracovala a všichni se k ní chovali moc hezky. Paní ředitelka Hájková s panem manželem nám po premiéře připravili krásný večírek. Pro mě to bylo první setkání a cítila jsem se v jejich společnosti dobře. Měla jsem radost, že se jim líbilo naše představení. .


 昼食抜きでのハードな仕事のあとの、豪華な料理!
Krásné jídlo po náročném dnu bez oběda.



シャンパンやワインも飲んだ後で、フェステイバルの最終演目を見て21時すぎ。
劇場で働いているペトルさんに、人形の倉庫を見せてもらう。

Pili jsme víno a sekt, potom se podívaly na poslední představení festivalu... bylo po 21. hodině.
Pan Petr, který pracuje v divadle nám ukazoval sklad s loutkami..



帰りには、疲れすぎてトラムを1つ乗りすごしてしまう。
なんだか、長い長い1日でした。
金の魚は泳ぎはじめたばかり。
明日は、オストラバープラハーリベレッツの移動日です!

Cesta do hotelu, byly jsme unavené a když jsme jeli tramvají, přejeli jsme o jednu zastávku. Dnes byl dlouhý den. Zlata rybka je s námi. Ziítra pojedem z Ostravy do Liberce.!



由未
Yumi

2012年9月28日金曜日

Premiere in Ostrava!!!


 

谷口です。
オストラヴァでのプレミア上演、無事に終了しました!

私たちの前の演目が上演時間が延びたり、
その人たちがまき散らした米粒の掃除が大変だったり、
技術的な問題に時間を取られたり、
突然ピアノの調律師が来たり、
毎度のことながらヒヤヒヤものの仕込みでしたが、
なんとかトラブルなく無事に、むしろたくさんの拍手を頂いて
幕を閉じることができました。

応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。


お世話になった方から力強い言葉を頂いたり、
ポーランドからわざわざ友人が駆けつけてくれたり。
たった2人で始めた挑戦が、多くの人の支えを得て
もう自分たちだけのものではなくなったことを、
もう会えないかもと思っていた人と再び会えたことを、
たくさんのお客さんに出逢えたことを
とても嬉しく思います。

次は明後日29日、Liberecという街のNaivni divadloという劇場です。
まだまだ始まったばかり。楽しいのはここから。
とりあえず、今日は移動日。
鉄子にはたまらないペンドリーノ(新幹線みたいなやつ)で、
プラハに帰って、そのままリベレツに向かいます。

リベレツの新聞にZlata Rybkaのことが取り上げられているようです。
Liberec mě baví

Premiera has finished!!
At the first, Yumi and me started by ourselves
But now so many people help us. "The golden fish" is not just ours.
I'm so appreciate to meet with people through this performance.
Not only this performance.
I am raised by Theatre.

The golden fish has just started to swim.
Next stage is Naivni divadlo in Leberec at 10:00 tomorrow.

The news web site of Liberec
Liberec mě baví


Najdete zlatou rybku? 金の魚を見つけて?




Je to neuvěřitelné, ale dnes se bude konat premiéra Zlaté rybky v Ostravě! Naoko přijela do České republiky 21. srpna a od té doby bez přestávky pracovala s Yumi a dalšími na představení. Věřím, že Zlatá rybka se nejen narodila, ale začala žít svůj samostatný život! Žijete-li s touto pohádkou nebo příběhem jeden měsíc, pak zákonitě přijde den, kdy si sami sobě musíte položit otázku, co by jsme si přáli, když by jsme věděli, že vám zlatá rybka přání splní. Byli by jsme potom šťastnější? Můžeme vůbec najít univerzální přání, které vede zaručeně ke štěstí? Škoda, že jsem do Ostravy nemohl také přijet, rád bych se diváků na jejich přání zeptal. Hlavně pak těch nejmenších!  

Není lepšího místa pro premiéru představení než Ostrava! Oceán jako Japonci nemáme, ale máme Ostravu, přístav na moři uhlí. Ostrava žije a vždy žila z bohatství pod zemí a jeho obyvatelé ví nejlépe, co jim těžba uhlí dala a co vzala.

Přeji představení Zlatá rybka dlouhý život! A když by jste stále toužili chytit rybičku, která vám splní přání, zkuste jí najít např. zde:
http://maps.google.com/help/maps/streetview/gallery.html#!/ocean

Hodně štěstí!

Petr Mráz
produkce


信じられないことに、今日「金の魚」のプレミアがオストラバの劇場で上演されます。
直子は、2012年8月21日にチェコ共和国へ来てから休むまもなく、由未や、他の仲間達と働き続けました。私は、「金の魚」がただ生まれただけではなく、魚自身が自分の人生を送り始めたと信じています。

この物語と1ヶ月間生活をしていると、こんな日がおとずれます。
私たち自身に問う質問。金の魚が願いを叶えてくれるとしたら、私たちは何を願うか?私たちはそのあと幸せになれるのか?

私たちは、どんな願いを見つけられるでしょうか?
残念なことに、観客に願いを聞きたかったのですが、私はオストラバに行くことがでません。
私は小さい願いたちについて聞きたいです。

オストラバの劇場ほど、「金の魚」のプレミア上演にとっていい場所はありません。
日本のようにチェコには海がありませんが、オストラバは海で採れる石炭の停泊所の役割をになってます。
オストラバの住民の方々は、つねに自然資源の恵みのもと生きてきたので、良い観客になってくれることでしょう。

「金の魚」が長い人生を生きられるように願います!
もしあなたが、願いを叶えてくれる魚を捕まえたかったら、本日15時(現地時間)よりオストラバ人形劇場にて:
http://maps.google.com/help/maps/streetview/gallery.html#!/ocean

たくさんの幸せを!

プロデュサー
ペトル・ムラース




2012年9月27日木曜日

オストラヴァ入り



大きなリュックとカート2台をゴロゴロ言わせて、出発。
鉄子にはたまらない黄色い電車で一路オストラヴァへ。



6人席を占領。
他の人が乗って来なくてよかった。


上演する劇場はオストラヴァ人形劇場のalternativni scenaという小劇場。
ちなみにオストラヴァ人形劇場は私が2年前に文化庁の在外研修員として
チェコにいた時の受入先。
その時はまだこの小劇場は出来ていなくて、
計画段階の設計図を見せてもらったことがありました。
実際その通りに出来ていて、そしてまさかそこで自分が上演できるとは。
ゆかりのある劇場でプレミア上演ができるなんて、幸せなことです。
そして定員80名のチケットは既に完売しているそうです。

明日は朝10時すぎから仕込み開始。
15時開演です。

楽しんで、のびのびと、お客さまと向き合えますように。

谷口

Our buggage :
1 big suitcase
Stage
2 big backpacks.... It's sooooooo heavy.
We arrived at Divadlo Loutek Ostrava.
Our performance will have at alternativni scena.

Divadlo Loutek Ostrava was my host organization when I came to Czech Republic 2 years ago. At that time, this alternativni scena was under contemplation.
Now this theater has opened last year.
For me, it is so pleasure that I can do my performance at this theater.

Tomorrow the show will start at 15:00.